駅から徒歩20分と駅からは遠い場所にありますが、公務員専用住宅として使われているため満室経営が続く賃貸マンションです。
その特質から、ある意味とてもライバルが多い物件でした。
現在の入居者の退去抑制を考えたプランニングです。
エントランスに絞ったリノベーションを行いました。
「モダニズム建築にリノベできる!」
これが初めて物件を拝見した時の第一印象でした。
モダニズム建築とは、鉄とガラス、コンクリートなどの工業製品を使って合理的精神のもとで造られ、ゴシックやバロック様式の装飾を一蹴し、新しい建築をつくろうという考え方です。
外壁全面に白の同じタイルが貼ってあり、オブジェや植裁のないそのシンプルさは、『脱装飾』という思想のもと設計された、「白い箱」「豆腐」と形容されるル・コルビュジエのサヴォア邸に通ずるものがありました。
そんな印象から湧き上がったインスピレーションでプランニングです。
シンプルだけではモダニズム建築とは言えません。
機能的でなければならないのです。
賃貸物件として入居者獲得の人気アイテム。いや、もはや必須アイテムも言える宅配ボックスを導入。併せて集合ポストも交換しました。
もちろんシンプルなフラットデザインの宅配ボックスとポストです。
どうでしょう?
ウィーンにある先駆的なモダニズム建築、ロースハウスみたいに生まれ変わりました♪
「住宅は住むための機械である」 by ル・コルビュジェ
脱装飾、機能主義。
これもリノベーションの選択肢ですよ。
ご近所の方には建てかえたんですか?と言われました。
意匠性のある物件に生まれ変わって満足です。